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初心者向け:配信におけるカメラの基本設定 後編 〜絞り・シャタースピード・ISOの設定方法〜

今回のテーマは、ライブ配信における基本的なカメラの設定です。

カメラの設定は色々なカットで語れるので、今回は「映像の明るさを決める3要素」というテーマで紹介したいと思います。

後編では、具体的に「絞り(アイリス)」「シャッタースピード」「ISO(ゲイン)」を設定していく流れをご紹介していきます。

前編からお読みください

この記事には前編があります。まだご覧になっていない方は、先にこちらをご覧ください。

前編では、映像の明るさを決める3要素として、「絞り(アイリス)」「シャッタースピード」「ISO(ゲイン)」について紹介をしています。

この後編では、具体的にこの3つをどのように設定していけば良いのかをご紹介していきます。

マニュアルで設定するには

では具体的にどのように設定していけば良いのでしょうか。まずはAUTOではなく、マニュアルで設定をしていきます。

マニュアルの設定方法は機種によって異なりますが、例えばモード設定の切り替えがあります。例えば私の持っているSONYのカメラでは、こういった4種類のモードからマニュアルを選択します。

SONY FX3の設定画面

業務用ビデオカメラではモード選択がないものも多い印象です。絞り(アイリス)ISO(ゲイン)・シャッタースピードを、それぞれ個別にAUTOかマニュアルで設定していきます。

この辺りの操作体系は機種ごとなので、詳しくはそれぞれのマニュアルをご覧ください。

シャッタースピードから設定していく

では、実際にはどのように調整していけば良いのでしょうか。難しそうですが、慣れてくると意外と調整の幅は大きくありません。

まずは選択肢の少ない「シャッタースピード」から設定しましょう。基本的には1/50・1/60・1/100・1/125のいずれかになるので、屋外ではフレームレートに合ったものを、屋内ではフリッカーに合わせて調整をしていきます。

次に「絞り(アイリス)」は、作りたい映像の雰囲気(=ボケみ)に合わせて設定してみましょう。ボケ過ぎても見づらい&ピントが外れやすいので、程よい値を探してみましょう。

最後に「ISO」です。前編に書いた通り、できるだけ低い方がノイズが少なくて好ましいです。そのため、十分に明るくなる範囲で低く設定をしましょう。

以上のように、シャッタースピードから始め、次に絞り(アイリス)のボケみを軸に作りたい映像をイメージしながら設定、それを元に明るさをISOで稼いで行くと良いと思います。

うまくいかない場合もある

いかがだったでしょうか。以上の流れでうまくいきましたでしょうか。

これでうまくいっていれば最高なのですが、実際にはそうはいかないことも多々あります。例えば照明が暗い部屋の場合や、逆に屋外のピーカンで明る過ぎるような場合です。

ではこのような場合はどういった対応方法があるのでしょうか。それぞれ紹介をしたいと思います。

暗い部屋の場合

部屋が暗いとISOで引き上げたくなりますが、ノイズを考えると十分に上げられない場合があります。カメラにもよりますが、ISO3200辺りを超えるとノイズが気になってくるはずです。

代わりに、絞り(アイリス)で明るさを稼ぐのはどうでしょうか。明るくはなりますが、やり過ぎるとボケ過ぎで見づらい映像になってしまいます。そもそも、そこまで絞りを下げられないレンズな場合もありますね。

こうなると、そもそも部屋の照明環境を改善することが必要になってきます。追加で照明を持ち込むなどして、カメラに取り込む光自体を増やすのです。

照明が持ち込めないとなると、諦めてISOを引き上げることになります。ノイズは多くなってしまいますが、そこはトレードオフなのでやむを得ないですね。

明る過ぎる場合

では屋外のような、日光の明る過ぎる場合はどうでしょうか。明る過ぎると、いわゆる白飛びな映像になってしまいます。

この場合は、カメラに入ってくる光の量を減らす調整をしなければいけません。

本体の機能でも、絞り(アイリス)・シャッタースピード・ISO(ゲイン)で調整はできます。ただ、調整できる範囲には限界もあり、白飛びを防げなかったり、作りたい雰囲気の映像ではなくなる場合も多いです。

こういった時には「NDフィルター」を使います。NDフィルターはサングラスのようなもので、レンズに重ねることで手軽に調整が可能です。

NDフィルターは濃さの種類があり、複数種類持っておき天候に合わせて切り替えます。中には一枚で濃さを調整できる「可変NDフィルター」もあったり、NDフィルターを内臓しているカメラもあります。

私が愛用している可変NDフィルター

そもそもの照明環境が大事

以上のように、本体の絞り(アイリス)・シャッタースピード・ISO(ゲイン)で調整できる範囲には限界があります。また、自分がやりたい設定と離れてしまい、作りたい映像イメージと異なってくるのも問題です。

これを防ぐには、カメラの前段階として照明環境を整えることが重要です。適切に明るさがある環境だと調整しやすいですし、映像も綺麗になりやすいです。

今回の本題ではありませんが、照明が重要だと言われるのはこういったことも理由だと思います。中々そこまでコストをかけづらいものですが、ぜひこれを機に照明も気にしてみてください。

ぜひ皆さんのノウハウもお聞かせください!

いかがだったでしょうか。ひとまず私なりにまとめてみましたが、ご参考になったのなら幸いです。

また、これはあくまで私のノウハウなので、他にも色々な考え方もあるかと思います。ぜひ他にもオススメ方法があれば教えていただければ嬉しいです^^

また、今回の記事をかくにあたり、先日のオフ会での学びがとても参考になりました。教えてくださった伊藤さん・中島さんにも、改めて感謝します!


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