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Behringer Flow 8ファーストインプレッション 〜Zoom L-8と比較した音響素人の目線で〜

今回のテーマはデジタルオーディオミキサー「Behringer Flow 8」。

非常にコンパクトながら強力な機能を備えており、配信でも活躍してくれると話題になっていた機材でした。

私は音響面に関してはずぶの素人ですが、Zoom L-8と機能的に比較をしながら配信観点のファーストインプレッションをお届けしたいと思います。

明日、オフ会です!

先にお知らせですが、明日このFlow 8を試すオフ会をZoomで行います。この記事を読んで気になった方は、ぜひご参加ください〜!

概要

今回紹介するのは2021/3に国内発売されたデジタルオーディオミキサー「Behringer Flow 8」です。

Flow 8は非常にコンパクトな筐体ながらも、デジタルミキサー故の強力な機能を搭載しています。ローカット・コンプレッサー・4バンドEQなどの効果処理ができ、また2系統のモニター出力も可能です。

代わりにフル機能を使うにはスマートフォン・タブレットとの併用が必須です。だからこそのコンパクトさではありますが、本体のみで完結しない点は人によって好みが分かれる点かもしれません。

Zoom LiveTrak L-8との比較

ライブ配信で人気のミキサーと言えば、Zoom社の「LiveTrak L-8」があります。今回はこちらと比較しながら、ファーストインプレッションを紹介したいと思います。

大前提として、2つはコンセプトが大きく異なる製品です。Zoom L-8はMTR(マルチトラックレコーダー)で、Flow 8はコンパクト性を重視したオーディオミキサーです。

そのため単純比較は禁物ですが、配信の観点から二つを比較していきたいと思います。

筐体

まず外観を比較すると、サイズは大きく異なります。Flow 8の方が二回りほどコンパクトな印象を受けます。

この理由として、まずFlow 8にはZoom L-8にはある多くの機能がありません。例えば入出力端子のスペックは下がり、録音機能やBGM再生機能、電池駆動などもありません。

また機能差だけでなく、スマホ・タブレットアプリとの連動が大きく影響しています。Zoom L-8は本体のみで操作を完結する製品ですが、Flow 8はアプリを使わなければ全ての機能が使用できない製品です。

そのため、多くの部分ではZoom L-8の方が多機能な点では勝ります。ただし、小規模な配信ではそれらが不要な場合も多く、そのような最小限の現場ではFlow 8のコンパクト性は非常に心強いものだと思います。

入力端子

まずどちらも8つの入力端子を備えますが、端子面に関してはZoom L-8の方が充実しているように感じます。

と言うのも、Zoom L-8はXLRコンボジャックを6つ搭載し、いずれもファンタム電源の供給が可能です。一方のFlow 8は、コンボジャックが2つとXLR専用端子が2つ、その内電源共有ができるのはXLR専用端子のみです。

これらを比較すると、Zoom L-8の方がより多く・幅広い入力に対応できると思いました。

一方、Flow 8はBluetooth経由での音声入力が可能です。Zoom L-8もスマホとのライン接続が可能で、あちらの方が音声を返せる点ではより対応範囲が幅広いです。ですが、そこまで不要な現場では手軽に入力ができる便利な方法だと思いました。

出力端子

端子数で言えば、Zoom L-8の方がモニターアウト端子が1つ多いです。また、L-8はステレオ出力ですが、Flow 8はモノラルな点も地味に気になったポイントでした。

 しかし、Flow 8の方が優れているのは、ポストフェーダーかつマイナスした2系統のモニター出力が作れる点です。

Zoom L-8もメイン+3系統の出力が作れますが、これはメインのフェーダーとは連動しない別系統の出力です。メイン出力と同じように切替もできますが、その時は不要な音をマイナスすることができなくなります。

イメージにすると、↓のように出力系統ごとにフェーダー操作が必要です(マイナスしたい場合)。

Flow 8はメインのフェーダーと連動して、2系統の出力を作ることができます。後にはモニター端子用のchフェーダーもあるので、もちろん一部だけをマイナスすることが可能です。

例えば、Web会議に返す音声もメインと同じバランスで返すことができます。Zoom L-8も4極出力でできなくないのですが、Flow 8はそれを2系統作ることができ、TRSのバランス出力が可能です。

これはZoom L-8ではできない便利な点だと思いました。イメージにすると、↓のようになります。

Flow 8のポストフェーダーでのモニター出力イメージ

ちなみに、私は「ポストフェーダー」という言葉の意味を今回を機に理解しました(音響素人ですみません。。)

そちらは昨日のnoteにまとめているので、気になった方はこちらの記事もご覧ください〜!

効果処理

もう一つFlow 8が優れているのは効果処理です。

Zoom L-8にはない機能に「コンプレッサー」「リミッター」を使うことができます。あまり細かな設定はできない簡易的なものではありますが、過大な音量の抑制が期待できます。これは実際に使う中でその効果を測っていきたいです。

コンプレッサーは各chごとに設定が可能
リミッターは各最終出力ごとに設定が可能

もう一つは32個のプリセット効果が用意されており、ワンボタンでオンオフも可能です。

例えばリバーブ処理などは、番組によっては良い感じの演出に繋がるのではないかと思いました。また公式の紹介動画では音楽演奏を想定している印象なので、そちらの業界の人の方が嬉しいのかもしれません。

遅延設定

最後に、配信で嬉しい点には出力の遅延設定が可能です。

MAIN・MONITOR1・MONITOR2の出力ごとに調整が可能で、最大341.3ms遅らせることができます。万が一スイッチャー側で遅延幅が足りな時もこれなら安心ですね。

はいずれもZoom L-8にはない機能なので、Flow 8に心強さを感じる点ですね。

まとめ

Flow 8は比較的対応幅の狭いミキサーです。ですが、最小構成の現場では十二分に活躍する機能が揃っており、それでいてこのコンパクトさは唯一無二の存在です。

そのため、Zoom L-8を置き換えるものではなく、求められる内容に応じて使い分けるものだとは思いました。例えば後編集に備えて個別の録音が必要な場合や、マイクの数が多い現場ではZoom L-8が光ります。

ただ、Zoom L-8にはない光る機能も多く、配信担当者の中で話題になった理由が理解できました。確かに、この機能と値段、コンパクトさは、とても魅力的だと思います。

そして、明日のオフ会で皆さんの感想を聞くのも今から楽しみです。参加される方はどうぞ宜しくお願いします!

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