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Mac × ATEM miniの色問題は「Micro Converter BiDirect」で解決!

今回のテーマはATEM mini。

長らく悩まされてきたMacと組み合わせた時の色問題ですが、ようやく良い対処方法が見つかりました。

その方法は「Micro Converter BiDirectional SDI/HDMI 3G」の導入です。今回はその結果をご紹介したいと思います。

この記事は2022/8/3に定期購読マガジンで公開した記事を再編集したものです。多くの方にご覧いただいているため、無償公開することとなりました。最新の内容と異なる場合がありますのでご了承ください。

動画でも解説しています

色問題とは

いまや配信を語る上では欠かせないATEM miniですが、Macの映像を入力すると問題が発生します。

映像自体は入っていますが、色みが通常と異なります。コントラストが強いような色になっているのです。

こちらは11段階のグレースケール映像を、MacからATEM miniに入れてキャプチャしたものです。2段目の淡いグレーが飛んで、白色になっているのが分かるかと思います。

これは実際に使っていると結構悩む問題です。

例えばスライド資料では、ものによっては明らかに色の変化を感じるものもありました。誤差ならまだしも、視聴者にも伝わるような変化は問題があります。

MacのHDMI出力は厄介

この色問題の原因は、MacのHDMI出力にあります。

実はMacのHDMI出力は、その仕様からモニターでうまく色が再現できないケースがありました。モニターで有名なEIZO社のサイトでは、それに関する情報が公開されています。

こういった情報を見るに、どうやらMacが出力する映像の色情報の扱い方が原因のようです。

ちなみに、ATEM miniは端子によって対応する色情報が異なります。しかし、端子を変えても残念ながらこの問題は解決しませんでした。

ATEM miniの発売から長らく経つ今も解決しておらず、今後も改善はなかなか期待できないように感じています。

ATEM MiniはHDMI 1とHDMI 2~4で部品が異なります。HDMI 1は長距離のHDMIケーブルが使用できるのに対し、HDMI 2~4はそこまでの長いケーブルは使用できません。(略)
一方、HDMI 2~4の得意なこともあります。(略)
色空間の面ではHDMI 2~4の方がHDMI 1よりも対応できる範囲が広いです。これはハードウェアの部品が異なることから発生する違いです。

引用:ATEM Mini & ATEM Mini Proについてのよくある質問22連発

これまでの対処方法

この問題に対して、私は一つの対処方法を見つけていました。それは間にRoland製のスイッチャーを挟むことです。

例えば「Roland VP-42H」を間に挟むと飛んでいたグレーが現れ、諧調が再現されているように見えます。

VP-42Hは手動で色情報を設定することができます。設定によってどのように変化するかは以前にもnoteで紹介したことがありました。

その後、よりコンパクトなスイッチャー「V-02HD MKⅡ」でも同じ改善が見られたので、最近はそちらを使っていました。ただ、どちらについても、課題はセットアップが面倒なことです。

V-02HDもコンパクトな機材ですが、それでもコンバーターとしては大き過ぎますね。それこそ台数が多くなると場所をとってしまいます。VP-42Hは言わずもがなです。

Micro Converter BiDirectionalとは

そこで見つけたのが今回紹介する「Micro Converter BiDirectional SDI/HDMI 3G」です。

これは本来HDMIとSDIを変換するコンバーターです。片方向ではなく、双方向に変換できるのが「BiDirectional」の所以です。

Micro Converter BiDirectional SDI/HDMI 3G

片方向の製品もありますが、お値段も¥2,000程しか変わりません。買うならこちらの方がおススメです。

このお話は、以前読者の方からも教えていただき、noteにまとめたことがありました^^

HDMI→HDMIで諧調が復活!

実はこのMicro Converter BiDirect、出力はHDMIとSDIの両方から出すことができます。1入力2出力な機材なんですね。

つまり、HDMI→HDMIにスルー出力だけすることも可能です。通常は意味のない使い方ですが、今回は色のコンバーターとして活躍してくれたわけです。

実際に試してみると、バッチリと諧調が復活しています。ATEM miniのキャプチャを比較した画像がこちらです。

色の再現性を求められるようなシビアな配信では不安が残ります。ただ、ある程度の環境であれば、こちらで大丈夫なのではと思いました。

何よりコンパクトなことと、普段はSDI⇄HDMIのコンバーターとしても活躍してくれるのは嬉しいですね。持っておいて損がないと思います。

いつかRoland VC-1-SCも…!

今回の内容はこちらのnoteがとても参考になりました。この記事では他にRolandのスキャンコンバーター「VC-1-SC」も使った様子が紹介されています。

VC-1-SCと言えば、配信界隈だとこれを挟めば色々な問題が解決すると話題の機材です。対応する映像の種類が多く、非常に信頼性が高い機材という印象があります。

高い機材なのでおいそれと購入はできないのですが、いつか機会があればレンタルなどで比較もしてみたいと思いました。

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