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Zoom F6の先読みリミッター機能をライブ配信で試す(前編)

今回は手持ちの音声機材「Zoom F6」を試していきます。

Zoom F6は音声レコーダーですが、配信用の小型ミキサーとして使うことができる機材です。いくつか配信でも便利な機能があり、今回はその一つ「先読みリミッター」を試していきます。

書き始めると長くなったため、今回は前編としてどのような機能なのかをご紹介します。明日は実際に試してみた様子を紹介します!

32bit float録音が強みのフィールドレコーダー

Zoomと言えば「LiveTrak L-8」が配信初心者の定番ミキサーですが、今回扱うのはフィールドレコーダーの「Zoom F6」です。

引用:Zoom F6製品サイト

Zoom F6は「32bit float」という録音設定により、音割れがしない録音を実現します。一見音が割れているように見えて、音量レベルを下げると割れていない音が出てくる魔法のような方法です。

以前、同じ機能が使える「Zoom F2」を紹介したことがありました。その時は、一見すると割れまくりな音声ファイルが、音声レベルを下げると割れていない様子をご紹介しました。

ライブ配信でも使えるZoom F6

そんなZoom F6。録音が得意な機材ですが、ライブ配信のミキサーとしても使うことができます。

Zoom F6には6入力のXLR端子があり、3.5mmのラインアウト端子も搭載されています。標準フォン端子が挿せるコンボジャックでないのは残念ですが、十二分に活用することができます。

側面にはラインアウト端子を搭載
引用:Zoom F6製品サイト

またiPadアプリではありますがフェーダー操作も可能です。本体とはBluetoothで接続して、ワイヤレスでの操作をすることができます。

本体にも物理的なツマミはありますが、サイズはかなり小さいです。少なくとも配信では、iPadアプリでのミキシングが現実的でしょう。

ちなみに別売りの物理コントローラー「F-Control」と組み合わせることで、物理フェーダーでの操作も可能です。ただ3万円強と結構お高めなのが辛い所。。

配信で活躍するリミッター機能

そんなZoom F6ですが、残念なことに配信だと普通に音割れしてしまいます。32bit float録音はあくまで編集時に修正ができる方法です。

しかし、Zoom F6には配信でも活躍する機能が多数あります。その一つが「リミッター」です。

リミッターは指定したレベル以上の音声を抑えてくれる機能。似た機能にコンプレッサーもありますが、リミッターは蓋をするような感覚です。

2つの違いはこちらの記事がイメージしやすかったです。

1ms先を読むリミッター機能

リミッター自体は多くのミキサー、配信ツールにも搭載されています。Zoom F6の特徴は「先読みリミッター」機能が搭載されていること。

通常のリミッターの場合、急な過大音声には処理が間に合わず、最初だけ音が割れることもあります。しかしZoom F6は、先読みをすることでこの音割れさえも防ぐことが可能となります。

引用:「Zoom F6 オペレーションマニュアル」P.86

すごい機能ですが、どうやって先読みをしているのでしょうか。これは何も魔法のお話ではなく、物理的に音を「1ms(ミリ秒)」遅らせてバッファを作っているそうです。

そのため、配信に乗る音声は、通常よりも遅れることとなります。ただ、1msは0.001秒です。その差に気付く方が難解で、むしろ元々ある音ズレの調整で吸収されていくのではと思います。

明日の後編につづく

では具体的にどのような動きになるのでしょうか。書き始めると長くなってしまったので、続きは明日の後編でご紹介したいと思います。

実際に過大な音声を入力しての先読みリミッターの効果、また実際に配信で使ってみた感想などを紹介したいと思います。

どうぞご期待ください。

<追記>
公開しました!

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