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ありがとうRoland VP-42H。売却するからこその最後のレビュー 〜2年間使って分かった良し悪しと思い出〜

今回のテーマは映像機材「Roland VP-42H」です。

この度、2年間連れ添ってきたこの機材とお別れをすることとなりました。今回はその前に、VP-42Hのレビューを残したいと思います。

配信を始めたての頃に何もわからず購入したのですが、結果的にはVP-42Hではないできないことがあり、

Roland VP-42Hとは

VP-42HはRoland社が2018/10に発売した映像機材です。

簡単に言えば4入力2出力のHDMI映像スイッチャーなのですが、最大の特徴はRoland社の触れ込みにもある「ビデオプロセッサー」です。ただのスイッチャーではなく、映像を演出する機能が備わっています。

その特徴を3つにまとめて紹介をします。

①特徴1:10種のパターンを切り替える

VP-42Hの基本的な理解として、最大10種類の映像パターンを作成し、切り替える機材となります。

本体にある1〜10のボタンはこれを切り替えるためのものですね。

VP-42Hのフロントパネル
引用:proav.roland.com

②自由度の高いレイアウティング

VP-42H最大の魅力は、この10種のパターンを非常に自由度高くレイアウト設計できることです。4つのHDMI入力映像を、位置やサイズ、アスペクト比など自由に設定しながらパターン作成ができます。

パラメーター以外にも、マウス操作での設定も可能です。ブラウザベースなので多少のやりづらさはありますが、タブレットから指の操作も可能となっています。

VP-42Hの設定画面 操作イメージ

③切り替えのアニメーションがある

作成したパターンですが、切り替える際にはアニメーションを加えることができます。

2つのパターンを切り替える際に、合間のアニメーションを自動で補完してくれるイメージです。これはうまく使いこなすことができれば、非常に演出性の高い配信をすることができます。

VP-42Hによる映像切り替えの様子
引用:proav.roland.com

ATEM Mini Extremeへの乗り換えます

このような自由度の高いレイアウト設計は、OBSのようなソフトウェアだと難なくできます。しかし、ハードウェアになると、ここまでの機能を持つ機材そう多くありません。

それこそ私が購入した2019年当時は、この価格帯ではVP-42Hだけでした。そんなVP-42Hを売却することを決めた理由は、ATEM mini Extremeの存在です。

ATEM mini Extremeの「SuperSource」機能は、まさにVP-42Hのような機能です。単体では微妙な点も多いのですが、iOSアプリ「MixEffect」を組み合わせることでほぼ同等の機能を実現できます。

一年前の検証では切替アニメーションに難点がありましたが、先日の再検証ではその改善が見られました。これが決め手となり、移行の気持ちが高まっていきました。

専用機材としての安心感がある

同等の機能があるとはいえ、ATEM mini Extremeへの移行には不安感もあります。というのも、専用機材としてのVP-42Hの信頼性は非常に高いものがありました。

ATEM miniシリーズは信頼性が低い面があります。熱暴走と思われる不具合を聞く機会は多数あり、その対策ノウハウも様々なものがあります。先日はそれをまとめた記事も公開したことがありました。

これに比べると、VP-42Hは一度も誤作動を起こしたことがなく、信頼を置いている機材です。というよりも、Roland製の機材はやはり信頼がおける印象です。

そのため、ATEM mini Extremeへの置き換えは、比べると不安感は残ります。ただ、VP-42Hにも不満を感じていた点がいくつかあり、それが改善できるため乗り換えを決めました。

VP-42Hへの不満

では不満を感じているのはどのような点でしょうか。ここでは大きく2つの点を紹介したいと思います。

微妙な点①:機能の物足りなさが目立つ

2018年の機材なので止むを得ないのですが、今となっては機能の物足りなさが目立ちます。

例えば読み込む画像は「BMP」フォーマット指定です。購入当時でも古さを感じた点で、単純に変換する必要があるので面倒です。

もちろん透過PNGを読み込むこともできません。合成もクロマキーとルマキーのみでエクスターナルキーはないので、ATEM miniに慣れていると合成機能は弱さが目立ちます。

微妙な点②:黒が入る

VP-42Hはパターンの切り替えが特徴ですが、その際には黒が挟まることがあります。

これは必ず入るものではなく、一定の条件下で発生するものです。ATEM mini Extremeではこのような制約がほとんどありません。

やはり比べると演出の自由度は下がりますし、地味に制約を感じる点でした。

ありがとうRoland VP-42H

以上がVP-42Hを手放してATEM mini Extremeへ乗り換えることを決めた理由です。

ただ、色々と書いたもののVP-42Hがダメな機材かと言えば、もちろんそんなことはありません。上にも書いた通り、その信頼感はピカイチなものがあります。これが求められる現場は今もなお多くあるはずです。

機材は利便性と信頼性がトレードオフの関係になりやすい印象です。今回私の配信では、VP-42Hの信頼性よりもATEM mini Extremeの機能の豊富さを選んだだけだと思っています。

それよりもVP-42Hにはこれまで支えてきてもらった感謝が大きいです。右も左も分からない時から、私の配信で活躍してくれました。業務機ゆえの難しさもありましたが、その分理解を深められる内容も多かったです。

その点でVP-42Hには本当に感謝しています。そんな感謝を抱きながら、今回はお別れをしたいと思います。VP-42H、今までありがとうございました。

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