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配信の機材構成、一年でどう変わった? 〜Backlog World 2021の配信をお手伝いしました〜

3/13にフルオンラインのイベント「Backlog World 2021 旅」の配信をお手伝いさせていただきました。約6時間に渡るイベントでしたが、大きなトラブルなく配信を終えることができ安心しています。

Backlog Worldは私にとって非常に思い出深いイベントです。なぜなら、昨年このイベントを通して、私のフルオンライン配信のスタイルが確立されたからです。

当時を思い出しながら、今回の配信について振り返って行きたいと思います。

実際の配信アーカイブ

配信の様子はこちらからご確認ください。

プロジェクト管理ツール「Backlog」のコミュニティイベントですが、製品だけでなくプロジェクトマネジメント全般がテーマのイベントです。そのため、製品に詳しくなくとも楽しめるイベントになっています^^

配信機材の構成

今回の配信構成は以下の通りです。これとほぼ同じ構成を福岡にも設置し、東京・福岡からの同時配信を行っていました。万が一東京のメインストリームが死んでも、福岡のバックアップストリームから配信を継続できる仕組みです。

昨年と比べると基本的な構成は同じです。VP-42Hを使い、Zoom画面とフレームデザインを合成します(詳細は昨年の解説を参考)。しかし、細かな点を強化することでより安定した配信ができるようになりました。

まずは音声モニタリング用にミキサー「Zoom Live Trak L-8」を使い、随時音量を切替ながら合計3chの音声を効率的に確認できるようになりました。

また「Blackmagic HyperDeck Studio mini」の導入により、安定した動画再生が可能になりました。そのため休憩中画面を動画にしたり、登壇前にはジングル動画を流したりと、積極的に動画を使えるようになったことは大きいです。

昨年の機材構成(

ちなみに「ATEM Streaming Bridge」はATEM Mini ProとLiveShell Xを組み合わせるためにレンタルしました。ATEM Mini経由で同時配信するには、非常に便利な組み合わせです。

詳細は以前にも紹介しているのでご参考になれば幸いです。

構成図には見えない改善

この一年の改善は機材だけではありません。構成図には見えない所でも足回りの強化があります。

例えば自宅回線もNURO光の導入で大幅に強化されました。噂には聞いていましたが驚くほど爆速です。上り下りともに数百Mbpsをキープし続けており、環境は大きく改善されました。

また、従来の回線も契約を続けることで、家庭利用と配信利用を切り分けることもできました。万が一NURO光に障害が起きた際には切り替えることも可能です。福岡のバックアップストリームで配信を継続している間に、設定を切り替えて復旧する想定です。

また、配信機材のレイアウトも大きな改善です。いよいよラックマウント化を進め、非常に効率的な機材配置ができるようになりました。

昨年は机いっぱいにノートPCを広げていました。これでも配信自体はできますが、やはり万が一のリスクは高まってしまいます。シンプルで整理された環境の方がトラブルは起きづらいものです。

その点ではラックマウント化による心理的な安心効果は計り知れません。これ以外にも機材はありますが、必要最低限を机に置いてかなりスペースに余裕が生まれ他のは大きいですね。ラックマウントはまず必要最低限を揃えて見たので、これからも改善してノウハウ発信をしたいと思います。

今年の機材配置(これ以外にもあります)

昨年の機材配置

Zoomの二重稼働で新演出にチャレンジ!

さて、機材構成の中で一つポイントになるのが「サブZoom」です。今回はZoomを二つ稼働することで、司会の顔を抜き出す演出にチャレンジしました。

プロジェクトコンテスト「Good Project Award 2021」では、審査員・登壇者と司会者は別の枠で表示しました。実はこの構成を一つのZoomで実現することはできません。司会者だけを個別に表示することはできても、審査員・登壇者の並びにも一緒に映ってしまうからです。

そこで、司会者だけは2つのZoomに入り、別ルートで映像を取得することにしました。メインの方はマイクだけON、逆にサブのZoomはカメラだけONという形ですね。そのため、昨年に比べると専用PCが一台増えることになりました。

実はこのZoomを2つ用意する構成は、これまでにも採用してきた実績がありました。あるイベントでは対決競技の演出をする為に、うまく組み合わせたことがあります。

Zoomを2つ組み合わせる演出はまだまだ研究の余地がありそうですね。いずれそれだけでノウハウをまとめたいです。

TwitterタイムラインはComntlyで管理

画面右下には定番のTwitterタイムラインを配置。これはTwitterのタイムラインを流すことができるサービス「Comntly」ですね。

ComntlyはTogetter社が開発中の新しいサービスです。Twitterのアカウントを持たない人も匿名コメントができ、より盛り上がったタイムラインを配信に埋め込むことができます。概要はyouさんのスライドが分かりやすいです^^

実は今回 匿名コメント機能は利用していません。それでもComntlyを採用したのは、荒らしなどの管理しやすい為です。

従来はTweetdeckを埋め込んでいましたが、ブロックの反映には画面の更新が必要です。Comntlyは管理画面のブロックが即時反映されるだけでなく、実は6秒間の猶予時間があります。運営は画面に映る前にブロックをすることが可能なのです。

これは特に企業主催のイベントでは非常にニーズがある操作だと思います。配信はリアルタイムだけでなく、アーカイブの再生も大事な流入ですからね。できるだけクリーンな画面を保持したいのは当然の気持ちです。

唯一のネックはタイムラインの読込が止まることがあります。これはTwitter API側に原因があるようで、Comntly側でも対応ができないか検討中とのことです。その為、横に比較用のTweetdeckを並べて監視する作業が必要になります。

ただ今回は6時間の配信で一度も止まることはありませんでした。また、それ以上に管理のしやすさは大きなメリットを感じ、これからも配信代行ではComntlyを採用していく予定です。

トラブルに泣いた昨年、今年は終始安定!

昨年の配信では、今も忘れられないトラブルが発生しました。それはZoom会議が強制終了したトラブルです。幸い短時間で復旧しましたが、あれには悔しい思いをさせられました。

あれから一年、様々な経験を経て分かったのは、トラブルは完全には避けられないことです。あれ以来、Zoomが落ちたことはありませんが、YouTubeが落ちたこともありました。また登壇者にトラブルが起きる場合もあります。

今年は無事に大きなトラブルなく配信を終えることができましたが、そもそも起きても大丈夫な用に心算をしていたことは大きかったと思います。その点では、私自身も成長できたのだなと実感できた大事な配信となりました。

そして、やはり振り返っても昨年のBacklog Worldは大きな転機となったイベントでした。ご依頼いただき初めてTwitterのタイムラインを埋め込み、それ以来 私の配信では定番のレイアウトになりました。Backlog Worldの配信が私の土台になっているのは間違いありません。

一年ごしで、またこのイベントに携われたこと、そして無事に配信を終えられたことがとても嬉しいです。運営の皆様、今年も関わらせていただきありがとうございます。そしてお疲れ様でした!

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