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配信サポート事例:賀詞交換会の有観客ハイブリットライブ配信

この記事は「ライブ配信伴走サービス」の事例記事です。今回はとある賀詞交換会のライブ配信をサポートしたのでご紹介したいと思います。

ライブ配信伴走サービスはあなたの「配信したい」を応援するサポートサービスです。初心者の方でも安心して本番に臨めるよう、事前の準備からサポートしていきます。

今回は大きく以下の内容でサポートをさせていただきました。配信内容も含めてご紹介しますので、一つの有観客ハイブリットライブ配信の事例としてもご参考になれば幸いです。

内容:業界の賀詞交換会ライブ配信
打合せ:5回
価格:8万円
主なサポート:
・機材構成の確認
・ATEM mini、OBSの使い方説明
・テクニカルリハーサルの同席
・当日の同席
・LIVE U Soloの緊急貸与

依頼の経緯

今回の依頼主はある業界特化の企画制作会社の方。業界団体から賀詞交換会の配信依頼を受けましたが、配信自体は初めての経験ということでサポートの依頼をいただきました。

昨年はフルオンラインで開催しましたが、直接会いたいニーズだけでなく、スタジオからの配信は費用も高かったようです。今年は行動制限の緩和もあり、ホテルの会議室から有観客のハイブリット配信となりました。

担当者の方は日頃の制作で映像・音声には慣れていたこと、また積極的な情報収集で既に機材構成も自身で考えられる状況でした。しかし何分初めてなので自信がなく、相談先が欲しかったとのことでした。

サポートの内容

担当者の方は、既に配信の基本的な知識はお持ちでした。事前の情報収集にかなり力を入れており、機材構成からツールの使い方まで、基本を押さえている状況でした。

そのため私のサポートも、主に足りない部分を補うものとなりました。

事前MTGでのサポート

事前MTGでは認識の確認をしながら、調べても分からなかった点を補足していく形となりました。

機材構成、ATEM Mini・OBSの使い方などの確認で4回のWeb会議を実施。オフィスに伺ってのテクニカルリハーサル(機材を仮設置して行う確認)も含めて、計5回の事前MTGを行いました。

担当者の方は本当によく配信の基本情報を抑えていて、初心者とは思えないほどの理解度でした。一方で細かなATEM miniやOBSの設定や、本番を考慮した時の細かな調整などはお役に立つことができたと思います。限られた時間の中、安心感を覚えて本番に臨んでいただくことができました。

当日同席でのサポート

当日は準備時間から同席し、何かあった際にはサポートに入っていきました。

詳しくは後述しますが、大きくは「回線トラブルの対応」「音声調整のアドバイス」の二点を支援しました。回線トラブルは代替機材への切り替えを行い、音声調整は最終配信の音を聞きながら気になった点をフィードバックした形です。

「受験生の御守りの如く、臨機応変に助言して貰えて非常に助かった」

配信終了後、担当者の方からはそんな風に評価いただくことができました。私自身も配信を無事に終えることができ、そのお役に立てたことは嬉しかったです。

当日の配信について

ここからは実際の配信についてもご紹介をします。一つの有観客ハイブリットライブ配信の例としてもご参考になるのではないかと思います。

イベント概要

会場は都内某ホテルの会議室です。およそ40名ほどの席が用意され、大体5〜6割ほどの席が埋まっていました。

イベントの流れは大きく2部構成。まず特別ゲストによる講演が1時間ほど、関係者8名の順の挨拶が1時間ほどありました。やはり賀詞交換会なので合間の挨拶・名刺交換が盛り上がっており、これはリアルならではだと感じました。

また、当日は都内でも10cm積雪の天気となり、ゲスト到着の遅れなどの影響が出ていました。これもまたリアルならでは感があり、懐かしい感覚を覚えました。

機材構成

今回の大まかな機材構成はコチラです。ATEM Mini Proを軸に、配信はOBS、音響のメインは会場PAに任せる形でした。

 カメラ

メインカメラはSony NX80とAX700の合計2台です。片方にはオペレーターが付いて演者に寄った絵を、もう片方は引きの絵で切り替えていました。

離れたオペレーターのカメラには、スイッチャーからの返し映像を受け取る小型モニターが設置されていました。距離があるため途中SDIに変換し、またケーブルカバーで参加者がつまづかない用に対応されていました。

今回はトランシーバーなどは用意されていませんでした。基本的には演者を追いかけるシンプルな運用だったこともあり、スムーズなカメラワークがされていた印象です。

マイク

マイクは会場で用意されたハンドマイクが使われていました。司会、登壇者、その他ゲスト用が2本、合計4本のマイクが用意されていました。 

この辺りの音声は全て会場PA担当の調整範囲でした。その分、音声周りの準備工数が減るのは良かったのですが、出演者ごとに音量調整まではしてくれていませんでした。この辺りは事前の相談次第だったのかもしれませんが、任せる時にどこまでやってくれるのかは確認が必要だと思いました。

Zoomへの丁寧な返しが印象的

今回の運用で非常に印象に残ったのが、Zoom登壇者への丁寧な返し映像でした。

ZoomにはOBSで作成した映像を流し込んでいます。担当者・会場の映像に加えて、テキストでの現状説明も用意されていました。これは遠隔で待機する出演者からすると安心する心配りで素敵ですね。

担当者の映像はノートPCの内蔵Webカメラ、会場の様子は別途Webカメラを用意して繋げていた形です。また、Zoomへの声かけ用には、スイッチ付きのマイクが用意されていました。

Zoom用PCからは音声が会場PAへと出力されて配信に繋がっていきます。その間にはZoom音声をモニタリングするためのミキサーも用意されていました。Zoom音声をモニタリングするための機材が必要になるのは、ハイブリット配信では一つポイントになる点だと思います。

配信は独自サイト+Vimeoで

今回の配信先はVimeoが使われました。また、視聴者は特設サイトに埋め込まれたVimeoのプレーヤーから閲覧する形です。

特設サイトは認証が用意されており、またイベントのアジェンダや注意事項も記載されています。Vimeoは埋め込みサイトからしか閲覧できないセキュリティ設定があり、動画リンクだけが広まらない構成を作りやすいのがいいですね。

事前リハでメンバーの理解を深める

今回印象的だったことに、初めての配信なのにチームメンバー含めて慣れていた点があります。当日の準備や操作など、非常にスムーズに対応されていました。

終わった後に伺ったところ、これは事前のリハーサルで、それぞれの担当は自身でセッティング・片付けをするように練習をしたそうです。これにより自分が触るべき機材を理解でき、当日もより安心して望むことができたとのことでした。

配信もチームメンバーをどう巻き込むかで、当日のパフォーマンスが変わってきます。担当者だけでできることは非常に限られており、チームビルディングも配信では重要なことを実感しました。

当日のトラブル

配信といえば、当日に何かトラブルが起きるもの。今回も複数のトラブルがありました。

ネットワークの不調

一番大きなトラブルは会場ホテルのネットワークが不調だったことです。

利用していたのは会場ネット回線でしたが、OBS・Zoomともに断続的に回線が不安定な状況となりました。結果的に、私が念のため持ち込んでいた「Live U Solo」に切り替えて、終始安定配信することができました。

実は、本来はNTTと契約したイベント用回線を使う予定でした。しかし、ホテル側の手違いがあり、誤ってホテル会場の通常回線が配線されていた状況だったようです。イベント用回線を手配しても、このようなトラブルもあるのだなと学びになるケースとなりました。(後日ホテル側からは謝罪があったそうです)

ゲスト講師の音声

今回難しさを感じたのはゲスト講師の音声面でした。

ざっくり言うとゲストはプレゼンテーションの先生でしたが、テーマもあり身振り手振りが多い内容でした。そのためハンドマイクが口から離れて配信では音が聞こえづらいシーンも少なくありませんでした。

また、もう一つ気になったのがマスクとの接触音です。講師の方は↓のようなシールドマスクをつけていました。これがハンドマイクとしばしば当たってしまい、「コツコツ」という接触音が頻繁に入るシーンもありました。

状況としてはヘッドセットタイプのマイクが合っていたのかもしれません。ただ、吹かれやマスクとの擦れなどのノイズ調整コストも生じると思います。コロナ時代ではマスクとの兼ね合いも考える必要があるのだなと、音声調整の学びを得た内容となりました。

天候による変更

もう一点、予想外なトラブルとして悪天候の影響がありました。当日は都内でも10cmの積雪を記録する状況で、交通機関が乱れが生じていました。

そのため後半の関係者挨拶では欠席や順番調整が発生。Zoom向けに映していた状況説明のテキストを修正する作業が発生していました。この辺り素敵な気遣いだったのですが、このような想定外の状況では裏目に出てしまっていました。

オンライン配信に慣れ切っていた私には、この状況は非常に新鮮に感じるものでした。リアル配信に回帰すると、このような想定外の事態にも柔軟に対応する余白が必要になることをしみじみと感じることとなりました。

あなたの"ライブ配信したい"を応援!

事例紹介は以上です。今回はこの配信にサポートする立場で参加させていただきました。

「あなたの代わりに配信をする」ではなく「あなたの"配信したい"を応援する」。そんなサポートをしています。

"自分でライブ配信をしたい、でも初めてで不安が多い”

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このサポートでは皆さんの良き相談相手となり、安心して配信ができるようになって欲しいと願っています。ピンと来た方は、ぜひ以下の記事をご覧ください。